陽気な日 ランちゃんの散歩へ
涼しくなり、秋も深まってきたとある公園に
愛犬ホームラン(通称「ランちゃん」)をお散歩へ。
小さな公園に差し掛かった時、野太い声がこだましてきた。
「どうしてお前は簡単に諦めるんだ!」
「お前何度言ったらわかるんだ!」
「さっきお前らに言ったよね?わかってないよね!」
お前、お前ら、お前、お前ら・・・。
熱心に野球をしているチームを発見。
ただ、指導している内容より、ある「単語」が耳に残って離れなかった。
その単語って利用可能なの・・・?
「〇〇は現在使われておりません」
「お前」って単語。
このキーワード、104で聞いたら「現在使われておりません。」
って音声アナウンスが発信されるだろうなぁ。
ちょっと自問自答した3分間だった。
なぜ自問自答したかと言うと、私も少し前まで使用していた張本人。
少年野球の指導者として、大いにその単語を活用していた。
人が言ってると「あっちゃ~」「言ってる言ってる」と感じた。
公園という公衆の面前で、かつ私がトイレで用を足している音をかき消すくらいの声量で「お・ま・え・なぁ~」って。
やっぱりこの単語はNGワードだよなぁ・・・。
「パワハラ・モラハラと一緒?」
俗にいう、体育会系の現場では「お前」が至極当たり前に使われてる。
会社でも、上司が部下に対して、その部下が更に後輩に対して「お前」を連発する組織って今でもある。
一世を風靡したドラマ、「半沢直樹」
ドラマは楽しく視聴したが、話半分でも実話だとしたら・・・。ゾっとする。
今、もし私が学生だったら、金融機関への就職は選考除外になると思う。
「お前」は当たり前で、時々「きぃ~さぁ~まぁ~」ときたものだ。
やっぱりゾっとする。
多少なりとも軋轢を生む言葉「お前」であり、上下関係、主従関係を明確にさせてしまう言葉でもある。
それを確実に明確にさせたい場合は、「お前」は便利な単語でもある。
しかし、教える側、教わる側の教育現場ではとっくにNGワード1位。
使うより、使わない方が良い。
お前が打たなきゃ誰が打つ?
一時期、中日ドラゴンズの応援歌が中止になった。
チャンス時にファンが選手を鼓舞する為に使用していた、ピンクレディーの大ヒット曲「サウスポー」
「お前が打たなきゃ誰が打つ」の歌詞が「選手に配慮が無い」と言う理由で応援団に対して球団が使用中止を求めたとの事。
理由は定かではないが、「少年教育上の問題」
結論として、「お前」ではなく「選手名」を叫ぶことで一件落着。
高校まで野球をした私は、甲子園に出場した際(残念ながらメンバー漏れ)、この応援歌を歌った記憶があるが、当時は何も感じなかった。
むしろ、本気で「お前、ここで打たなかったら、マジ、絶交」とまで思っていた。
まず信頼関係の構築
部外者には聞きづらい単語かもしれないが、当事者同士では何の問題もない場合もある。
言い方の強弱、シテュエーションによっては、より強固な信頼関係のもとで発せられた単語ともとれる。
先ほど述べた、甲子園のスタンドでの応援も、チームメイトへの信頼関係があるうえで、心から「お前がなんとかしてくれ」と願いを込めた「お前」であることには違いない。
英単語の「You」は便利
この単語を連呼する方。
そう、みなさんご存知ジャニーズ事務所の「ジャニー喜多川」さん。
もちろん、私はお話したことも、お会いしたことも、お見かけしたことすらない。
どの様なお方なのかわかりませんが、所属タレントは、ジャニー喜多川さんとのエピソードを面白おかしく「You」の単語に乗せて話をする。
そこには、上下関係も、主従関係もかなりファジーに表現されている。
お互いが非常に強固な信頼関係で仕事をされていたことだと思う。
野球の現場でも、「You捕っちゃいなよ」「You打っちゃいなよ」
「You〇〇しちゃいなよ」
「You」を付けた方が比較的、前向きな言葉に置き換えられる様な気がする。
結論を言うと、簡単に「お前」は言わない方が良い。
妻に「お前」と言ったとしよう。
間違いなく、その日の夕食は粗末な食卓となる。
「お前」を使わないことにこしたことはない。
ちなみに
女性(嫁、彼女)を「おまえ」とする歌詞は比較的男らしいラブソングとなっている。
矢沢さんの「I LOVE YOU ,OK」
サザンの「チャコの海岸物語」
BOWYの「ONLY YOU」
さだまさしさんの「関白宣言」などなど