手で打つ野球ってどう?

COACH
むか~し昔のお話。
昭和50年代。広島県内のとある小学校のお昼休み。
男子児童のほとんどが空気の足りないソフトテニスボールで野球。
バットは己の拳を握りしめた手。
その手でボールをシバき上げる。
飛ばないけど、手に残る感触と感覚は実に爽快。
当時の広島は、広島東洋カープ創設初の日本一に挑戦した年。
日本シリーズ 広島VS近鉄の第7戦。伝説の江夏の21球の年。
カープはタレント揃い。山本浩二、衣笠、高橋慶彦。
ちなみに私はライトル、ホプキンスと言うマイナーな助っ人に虜であった。
もともと野球が盛んな土地柄ではあったが、カープのおかげで、野球人気は増して高かった。
話を戻して、ソフトテニスボール野球のルールを簡単に説明。
ピッチャーは必ず下から投げる。
バッターはフォアボールになる前に大概打つ。
渾身の力を拳に込めて打つ!(バットを使わないので安全)
守備はもちろんグローブ無し(逆にグローブだと捕れない)
その他のルールは野球と一緒だが、両チームあわせて8人は欲しいところ。
実に楽しかった記憶がある。
あれから30年。
少年野球の指導をしている時にふっと思った。
「低学年の子供たちにはこの野球でいいのかも。」
このボールさえあればどこでも「野球ごっこ」ができる。
塁間など細かい規定は抜きにして、投げる。打つ。走る。捕る。ができる。
そんな、ゆる~い感じがまた良い。
危険なバット、キャッチャー用、ファースト用と言った独自のグローブ。
どれも必要ない。
安全性も確保され、近所の家にボールが入っても何かが壊れる心配がない。
そもそもそこまで飛ばない。
今日では、熱心な指導者のおかげで、トスベースボールやTボールと言った野球に興味を持ってもらうための競技が各地で行われている。
ただ、若干危険を伴うために、多数の保護者が必要となる。
昔、経験したこの野球。どこかのタイミングで教えて良いのかも。